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諸種内分泌腺摘出或は腦下垂體移植家兎に於ける發毛劑の比較試驗
吉田 重春
1
,
中下 靜夫
2
1鳥取大學
2鳥取大學醫學部皮膚科泌尿器科學教教室
pp.385-389
発行日 1951年9月1日
Published Date 1951/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200569
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緒論
圓形脱毛症の原因は,古くより多數の症例報告及び此の原因に就ての研究は夥しく存在し,且亦治療法及び藥剤も多種存するが有效適切なるものが有しないことは周知のことである。Haemato Porphyrinの發毛作用に關する實驗的研究及び臨床的觀察は,昭和11年以來皆見教授及び同門下の吉田,川口,光本,和田等の諸氏により,多數の報告を見るがこれ等の動物實験は全て正常家兎に就て行われている。亦B.Ottenstein. A.Böhrによつて,圓形脱毛症にはAcetylcholin物質が缺乏せることを報じ,我國に於て遠山,小川が本物質を圓形脱毛症に用い著效ありといい多數の人々の賛同を得ている。著者等は現今市販のHae-matoporphyin製剤のアロヒリン,Actetylchol-in製剤のオビソート及びVitamin B1を,内分泌腺を摘出或は移植した家兎に皮内注射して後に人工太陽燈を照射し,注射藥相互の發毛作用を比較検討し發毛作用と内分泌腺との關係を簡明にしたいと本實驗を企て,其の成績の1部を發表し諸賢の御批判を仰ぎたい。
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