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セミノーム剖見例
平馬 秀彦
1
1東京醫科大學泌尿器科教室
pp.426-431
発行日 1949年10月1日
Published Date 1949/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200255
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緒言
本症はVirehow (1862)が睾丸腫瘍の組織學的所見から癌腫性肉腫か或は肉腫性癌腫と稱えて以來肉腫に屬すべきか癌腫とすべきか,其の判斷區別に困難なものとしておれり.共の後該腫瘍に對してChevassu (1907)がSeminomなる名稱を用いられた,爾來其の發生機轉に對する説は腫々檢討されているが現在でも定説を見ない.臨牀報告例は尠くは無いが餘り多いものでもない.此度當教室で經驗せるセミノームの1例が術後約1カ年後に轉移を起して死亡した。解剖例の文献の多くは外科方面で取扱われているのは腹部臓器に轉移の爲であろうが,吾等も又知つて置かねばならない事であるが,其の最後迄吾等が觀察し得る事少なく,從つて之等の報告も吾等の領域では少ないので茲に報告して參考に供する次第である.
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