特集 U40世代が描く心不全診療の現状と未来—基礎研究を識り,臨床を素心深考する
Ⅲ.臓器関連
—臨床編—腸管が心不全に及ぼす影響と病態はどのようなものですか?
林 友鴻
1,3
,
山下 智也
2
,
平田 健一
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野
2神戸大学医学部附属病院循環器内科
3ワシントン大学セントルイス校循環器内科
pp.156-160
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200347
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Point
・腸には数多くの腸内細菌が生息しており,腸内細菌叢は宿主の免疫系・代謝系に大きな影響を及ぼす.
・腸内細菌代謝産物であるtrimethylamine N-oxide(TMAO)の血中濃度高値は,心不全を含む循環器疾患の予後不良因子である.また,心不全患者では腸内細菌叢の変化を認めることが報告されている.
・腸内細菌自体や腸内細菌代謝産物への介入が,心不全の新規治療法につながる可能性がある.
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