特集 肺高血圧症Cutting Edge
Ⅳ.肺高血圧症治療:内科的治療と外科的治療,そして将来の治療
PDE5阻害薬とsGC刺激薬—特徴と使い分け,何を根拠に選択するのか?
渡邉 裕司
1,2
1浜松医科大学医学部
2国立国際医療研究センター
pp.411-417
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200171
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Point
・cGMPのレベルは,産生系である上流のNO-sGC活性と,分解系である下流のPDE5活性のバランスにより決定される.
・PDE5阻害薬はcGMPの分解を阻止してcGMPを蓄積し,sGC刺激薬はsGC活性を高めてcGMP産生を増加させ肺動脈血管拡張をもたらす.
・PDE5阻害薬によってcGMPの分解が阻止されたとしても,上流でNOが産生されなければ十分量のcGMPは蓄積しない.
・sGC刺激薬によりcGMP産生が亢進したとしても,強力なPDE5活性によって速やかにcGMPが分解されてしまえば十分なcGMP量は維持できない.
・PDE5阻害薬は肺血管選択性があること,sGC刺激薬は非選択的で全身血管に作用することを特長とする.
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