連載 睡眠医学の90年(1930〜2020)・3
睡眠医学と神経疾患—SASは呼吸のゆらぎだろうか?
安間 文彦
1
1元独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院内科
pp.636-644
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200412
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第4章 発展期Ⅱ(1990〜)
18・神経疾患の呼吸異常と睡眠
身体疾患のうち,睡眠との関連で注目されるのが,神経疾患の呼吸異常である.呼吸が中枢(呼吸中枢・大脳皮質)や効果器(上気道筋・呼吸筋・胸郭・肺など),受容器(化学受容器・機械的受容器など)の3要素で調節されるとすると,それらの全体を制御するのは,神経系である.神経疾患は,神経,神経伝導路,筋肉と自立神経系などの調節システムを障害する膨大な疾患群の総称である.
睡眠医学の発展期(1990〜),神経疾患の呼吸異常について,系統的な理解が試みられるようになった.神経疾患により障害される部位を,機能や解剖とともに考えると,呼吸調節のしくみも理解し易くなる.
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