特集 症例から考える難治性びまん性肺疾患—病態と最新治療戦略
Ⅱ.特発性間質性肺炎
1)特発性肺線維症
①慢性安定期
酸素療法
坪井 永保
1
1一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院
pp.246-253
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200135
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Point
・肺線維症患者では,体動時には安静時の血液ガス分析からは予測不可能な高度なdesaturationが起こり,これを改善するための酸素必要量は他疾患に比べ高流量である.
・重症COPDのように高二酸化炭素血症を来す可能性がある患者には経皮的動脈血二酸化炭素分圧測定器によるPtcCO2の連続測定が有用である.
・高二酸化炭素血症を来しているⅡ型呼吸不全例に対しては在宅酸素療法とともにNPPVによる換気補助の適応も検討する.
・気腫合併肺線維症(CPFE)は肺高血圧症や肺癌を合併しやすく,混合性換気障害を呈する.酸素療法は労作時に高流量の酸素が必要で,かつ重症COPD患者のように高二酸化炭素血症を来す可能性があるため上記すべての可能性を考慮して診療に当たらなければならない.
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