特集 呼吸器画像診断—エキスパートの視点
序文
藤田 次郎
1
1琉球大学医学部附属病院
pp.4-5
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200001
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呼吸器疾患の診断に胸部画像診断が大きな役割を担うことはいうまでもない.ただし画像所見はあくまでも影絵であり,また多くの鑑別疾患を列記しうることから,確定診断のためには追加検査を行うことが求められる.医療資源に恵まれているわが国においては,比較的容易に画像診断を実施することが可能である.また診断,および治療を担当する呼吸器科医が画像診断の主体者でもあることから,総合的な画像所見の解釈が蓄積されてきた.一方,米国では,画像所見の読影を放射線科医が行うため,画像所見の全体的解釈に乏しいように感じている.
今回,呼吸器画像診断のエキスパート医師は,読影の際に,どのような視点で行い,また鑑別診断を行うのか,という観点で本特集を組んでみた.本特集で選択した疾患は,いずれも日常診療で遭遇するありふれた疾患であり,希少疾患についての記載は最小限とした.またⅠ.総論,Ⅱ.感染症,または感染症と鑑別すべき疾患,Ⅲ.間質性肺疾患,またはびまん性肺疾患,Ⅳ.慢性閉塞性肺疾患,およびⅤ.腫瘍性肺疾患の5つに分類した.各項目のタイトルは,近縁疾患との鑑別のポイントを明確にするようなタイトルとした.
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