Japanese
English
連載 脳外科医に必要な臨床神経生理の基礎・5
てんかんの発作モニタリング
Ictal Monitoring of Epileptic Seizures:Basic Knowledge of Clinical Nerve Physiology for Neurosurgeons
亀山 茂樹
1
Shigeki KAMEYAMA
1
1国立療養所西新潟中央病院臨床研究部(機能脳神経外科)
1Department of Functional Neurosurgery, Clinical Research Center and Epilpsy Center, National Nishi-Niigata Central Hospital
キーワード:
epilepsy surgery
,
electroencephalography
,
ictal monitoring
,
intracranial recording
,
magnetoencephalography
Keyword:
epilepsy surgery
,
electroencephalography
,
ictal monitoring
,
intracranial recording
,
magnetoencephalography
pp.1333-1342
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902479
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Ⅰ.はじめに
近年のてんかんの外科治療の確立には,高磁場MRI(magnetic resonance imaging)などの普及や頭蓋内脳波記録によるてんかん焦点の診断精度の向上が寄与するところが大きい.MRIや脳磁図(magnetoencephalography:MEG)などによるてんかん診断は主として発作間けつ時の静的解析であり,それに比べ,てんかんの発作時モニタリングは発作時の動的解析のため,てんかん原性領域の局在診断には欠かせない.特に手術成績を向上させるには発作時モニタリングの解析精度を高めることが必要である.したがって時間的空間的分解能の高いモニタリングを選択することが重要であり,それが最も高いものは硬膜下記録で,次はMEGである.ただし,硬膜下記録は全脳をカバーできないため何をガイドにどの範囲に電極留置するかが大きな問題になる.MEGがそのガイドとして注目されつつあり,今後の課題として,MEGの発作間けつ時解析が硬膜下記録の発作時モニタリングとどの程度の一致率(精度)があるのかを見極める必要がある.
本稿では,蝶形骨誘導脳波,硬膜下記録,MEGによるてんかん発作モニタリングについて論ずるつもりである.特に重要な慢性硬膜下記録による発作時脳波モニタリングの方法と実際について詳しく述べる.2000年4月から頭蓋内電極と頭蓋内電極留置術の保険適用が認められ,慢性硬膜下記録が普及しつつある.
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