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特集 神経救急—初期診療から集中治療までエキスパートの暗黙知に迫る
Editorial
Editorial
横堀 將司
1,2
1日本医科大学救急医学分野
2日本医科大学付属病院高度救命救急センター
pp.957
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204842
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“Time is Brain”.神経救急を表現するものとして,言い得て妙な言葉ですね.脳卒中や外傷,けいれん重積,遷延性意識障害,中枢神経感染症など,脳神経救急疾患はまさに時間との戦いです.当然ながら救急医療の現場では患者は突然,病院にやってきます.
私たちは病苦を訴え命の危険にある救急患者を眼前に,失いそうになる命を的確な蘇生で繋ぎ止め,診察と治療を進めていきます.刻一刻と変化する患者の容態を常に気にかけつつ,同時に休まず手を動かし,頭の中の知識の引き出しを片っ端から開け続け,かつ冷静に鑑別診断を熟考し,診断の確定に至ります.常に時間や情報が限られ,治療順序や術式決定に迷う状況下にあっても迅速な決定を迫られる「待ったなし」の救急医療の現場では,「できること」や「知っていること」の数こそが患者救命の可能性に直結すると換言できるでしょう.単純知識の蓄積のみならず,経験の共有が必要であることは言うまでもありません.
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