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特集 下垂体腫瘍診療の新フェーズ—変革期の疫学・診断・治療における必須知識
Editorial
Editorial
黒住 和彦
1
1浜松医科大学脳神経外科
pp.569
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204788
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下垂体腫瘍の診療は,内科治療薬の進歩に加え,経鼻内視鏡手術の登場により,近年目覚ましい発展を遂げています.下垂体腫瘍にはさまざまな腫瘍があり,治療する上では正常解剖や視床下部下垂体系の理解が必要です.また,外科的治療はそれぞれの腫瘍に対して手術手技,器具,アプローチの違いがあります.さらに,最近の特筆すべき話題としては,国際的に「pituitary adenoma,下垂体腺腫」の名称の変更が行われ,2023年後半〜2024年前半に発刊予定のWHO 2022 Endocrine Tumorsにおいて,pituitary adenomaからPitNET(pituitary neuroendocrine tumor)へ変更され,「下垂体腺腫」の名称は一般名「下垂体前葉腫瘍」,公式名「下垂体神経内分泌腫瘍・下垂体NET(PitNET)」へ変更されます.この大幅な変革期,新フェーズにおいて,一度下垂体腫瘍について疫学・診断・治療についてまとめる必要があると考え,本特集を企画しました.
第1章は「下垂体の正常解剖と生理」と題しました.下垂体腫瘍の治療に必要な下垂体,トルコ鞍部の解剖学的構造について解説し,発生についてもまとめました.さらに,視床下部下垂体系の生理について解説しました.視床下部と下垂体の関係や視床下部における制御,下垂体前葉,後葉機能,ホルモンについて理解が深まることを期待します.
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