Japanese
English
連載 脳神経外科と数理学
(5)脳活動を基にした知覚体験・行動のデコーディング技術
(5)Decoding Perceptual and Cognitive Contents from Brain Activity:A Review
中井 智也
1,2
,
西本 伸志
1,2,3
Tomoya NAKAI
1,2
,
Shinji NISHIMOTO
1,2,3
1情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター
2大阪大学大学院生命機能研究科
3大阪大学大学院医学系研究科
1National Institute of Information and Communications Technology, Center for Information and Neural Networks
2Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University
3Graduate School og Medicine, Osaka University
キーワード:
brain decoding
,
brain-machine interface
,
functional magnetic resonance imaging
,
fMRI
,
Electrocorticography
,
ECoG
,
machine learning
Keyword:
brain decoding
,
brain-machine interface
,
functional magnetic resonance imaging
,
fMRI
,
Electrocorticography
,
ECoG
,
machine learning
pp.458-467
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204209
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Ⅰ.はじめに
近年,機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)をはじめとする脳機能イメージング技術の発達により,さまざまな刺激や認知機能の脳内マップを得ることが可能となった.既存の心理学実験や理論的予測の背景にある脳機能を明らかにするという目的で実施された研究は膨大な数に上り,それらの知見をまとめた脳機能と脳内マップのデータベースも構築されている.
他方,脳活動から逆に認知機能を推定したり,知覚体験を再構成する解読(デコーディング)技術は未だ発展途上である.われわれの知覚体験や認知活動は,すべて脳神経活動によって生み出されていると考えられるが,もし脳神経活動の計測によってヒトの知覚や思考がすべて読み出せるのであれば,日常生活におけるより広範な活動に対し適応可能なbrain-machine interface技術の開発につながることが期待される.
本稿では,これまで脳機能イメージングにおいて実施されてきたデコーディング研究を概説するとともに,最近われわれのグループが行っている,能動的行動を脳活動からデコーディングする研究を紹介する.
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