総説
破裂脳動脈瘤の手術時期に関する国際共同研究における日本の成績
北村 勝俊
1
,
Neal F. Kassell
2
,
James C. Torner
2
,
佐々木 富男
2
,
石井 昌三
1
,
景山 直樹
1
,
菊池 晴彦
1
,
佐野 圭司
1
,
杉田 虔一郎
1
,
鈴木 二郎
1
,
西本 詮
1
,
端 和夫
1
,
半田 肇
1
,
水上 公宏
1
,
安井 信之
1
,
澤田 浩次
1
1九州大学医学部脳神経病研究施設外科,他
2Department of Neurosurgery, University of Virginia School of Medicine
キーワード:
Cerebral aneurysm
,
Surgical treatment
,
Timing
,
Japanese
Keyword:
Cerebral aneurysm
,
Surgical treatment
,
Timing
,
Japanese
pp.1155-1166
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202492
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I.はじめに
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の基本的な治療法は,動脈瘤頸部を閉塞して再破裂を防止することにある.この点については今や全く疑問の余地はない.しかしながら,その手術時期については機会あるごとに議論されており,いまだに結論を得ていない.この問題について,厚生省特定疾患脳脊髄血管異常調査研究班(班長:北村勝俊)でも全国的な動向を調査し,日本では早期手術が行われる傾向が比較的大きいこと,早期手術は軽症例では成績がよいが重症例では手術死亡率が高いことが明らかにされたが,なお系統的な研究が強く望まれた.このような状況下で,破裂脳動脈瘤の手術時期に関する国際共同研究が1981年1月より1984年6月にわたって行われ,日本の脳神経外科医も参画し,その連絡調整には著者の一人北村が当たった.共同研究全体の成績はすでにKassellら1-3)により数次にわたり報告されているが,そのなかでの日本脳神経外科医の成績は一部北村4)が第11回日本脳卒中学会総会における会長講演として報告したのみであるので,今回さらに詳細を述べて参考に供したい.
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