読者からの手紙
火中の栗を拾う人--平川公義先生追悼文に寄せて
藤原 一枝
1
1東京都立墨東病院脳神経外科
pp.804-805
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102078
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東京医科歯科大学名誉教授の平川公義先生への追悼文(No Shinkei Geka 41(5):436-437, 2013)に,問題を抱えた場所に立てば人権を重視して火中の栗を拾ってこられた先生の姿を追加したいと思います.1989年に設立した臨床スポーツ医学会関係のご活動もその1つです.
平川先生は,京都府立医科大学教授時代の1982年に,アメリカンフットボール(アメフト)の交流試合で急性硬膜下血腫になった京都大学4年生の死亡事故に遭遇し,「事故を起こさないのが指導者の責任」と頭を切り替えた京都大学アメフトチームの監督の協力も得て,初めて関西中の重症頭部外傷の実態を調査・分析し,事故予防策を講じました(この後,同チームはめざましく強くなりました).東京医科歯科大学に異動された後は,日本全国のアメフトチームに対して事故予防の啓発運動を行い,この分野での対策を浸透させた後,ラグビー,五輪のボクシング,アマチュアボクシングなどの事故予防にも関わりました3).
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