Japanese
English
総説
重症頭部外傷治療・管理のガイドライン:変遷と展望
Perspectives on the Guidelines for the Management of Severe Head Injury
島 克司
1
Katsuji SHIMA
1
1医療法人社団医凰会
1Ioukai Medical Corporation
キーワード:
head injury
,
traumatic brain injury
,
guidelines
,
management
Keyword:
head injury
,
traumatic brain injury
,
guidelines
,
management
pp.97-104
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101926
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
重症頭部外傷の治療と管理に関するガイドラインは,2000年前後,日米欧を中心に一斉に整備されてきた.端緒となったのは,米国の神経外傷財団(Brain Trauma Foundation:BTF)によるevidence-based guidelinesで,1995年に初版,2000年に第2版,2007年に第3版が公表され現在に至っている1-3).ヨーロッパでは,1997年に,ヨーロッパ脳損傷協会(European Brain Injury Consortium:EBIC)によりヨーロッパ全体のガイドラインとして発表された15).このガイドラインは,医療事情の異なるヨーロッパ各国の実情に合わせて,専門家のコンセンサスに基づいて作成された.日本のガイドラインは,日本脳神経外傷学会の重症頭部外傷治療・管理のガイドライン作成委員会によって作成され,欧米とはまったく異なる医療保険制度や施設の多様性などを考慮して,専門家のコンセンサスに基づいたガイドラインとして,2000年に初版,2006年に第2版が発表された11,12).第3版もすでに印刷中の段階で,近日中に発表される予定である13).筆者は,2003年に始まった第2版のガイドライン作成委員であり,2008年よりはガイドライン作成副委員長として,ガイドラインの改訂作業に関わってきた.
本稿では,わが国の重症頭部外傷の治療と管理に関するガイドラインについて,第3版までの変遷と今後の展望について概説する.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.