連載 脳神経外科保険診療の展望・4
診療報酬の改定の仕組み(外保連の活動について)
神服 尚之
1
Naoyuki HATTORI
1
1日本大学医学部脳神経外科
pp.411-421
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101411
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Ⅰ.はじめに
政権交代の影響もあり,10年ぶりのプラス改定となった2010年度の診療報酬であるが,「外科系領域に対する重点配分」は今次改定の特徴の1つといえる.脳動脈瘤頚部クリッピング術の大幅な増額を含め,約1,800の術式のうち約半数程度の点数が引き上げられた.これは,「外保連(外科系学会社会保険委員会連合)手術試案と現状の保険点数の乖離の大きい手術に対し,30~50%の手術診療報酬の増額を行う」という厚生労働省の評価の基に行われた結果である.厚生労働省が外保連手術試案を相対評価表として参考にし,2年ごとの改定に利用していたことは推測されていたが,今次改定で初めて「外保連手術試案は外科医の技術を客観的に評価できる根拠になりうる」と公式に発表している.このように,今後の保険診療報酬において,外保連の活動は重要視されていく傾向であるといえる.今回は,手術診療報酬改定のプロセスを中心に外保連および脳神経外科学会保険委員会の役割について説明させていただく.
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