Japanese
English
連載 脳神経外科疾患治療のスタンダード
10.失神
Clinical Standard of Neurosurgical Disorder(10)Syncope
太田 富雄
1
Tomio OHTA
1
1大阪脳神経外科病院
1Osaka Neurological Institute
キーワード:
various classifications
,
vasovagal syncope in the aged
,
syncope while bathing
Keyword:
various classifications
,
vasovagal syncope in the aged
,
syncope while bathing
pp.921-930
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101020
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Ⅰ.はじめに
脳神経外科臨床において,頭蓋内占拠性病変をみない原因不明の一過性意識障害の診断は,CT出現以降も依然挑戦的である.特に「失神:syncope(シンコピーと発音),fainting」は一般的な症候群で死亡率も低いが,その定義・分類(Table 1A-E)は,統一性に欠けている3).しかも,その中に起立性失神のように良性のものもあるが,心原性失神のように,対応を誤れば致命的な例もあり,失神とその他の一過性意識喪失または記憶障害発作との鑑別診断(Table 2)に留意しなければならない.
最近,安部治彦編集『失神の診断と治療』1)に続いて,日本循環器学会,日本救急学会,日本小児循環器学会,日本心臓病学会,日本心電学会,日本不整脈学会の6学会が合同参加し,『失神の診断・治療ガイドライン』7)が公表されている.そこで今回は紙面の都合上,脳神経外科的観点から代表的な失神にのみ触れ,心原性失神に関しては,まずその疑いをもつこと,そして循環器科にコンサルトすることが第1であることを指摘するにとどめたい.
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