今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
神経疾患
失神
吉井 文均
1
,
秋山 克徳
1
,
副島 研造
1
1平塚市民病院・神経内科
pp.656-659
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901462
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失神とは急激に発症し,急速に回復する一過性の意識消失発作と定義することができる.脳の一過性の血流不全によるが,とくに脳虚血による脳幹網様体の一時的な機能障害が発症機構として重要である.脳の器質的障害によるものではないので,血流の回復とともに意識も回復し,持続は数秒〜数分のことが多い.
失神の原因には表1に示すような各種疾患があるが,意識障害の持続が短時間のため,意識はすでに回復した状態で来院することが多い.したがって,てんかん発作,低血糖発作,過呼吸症候群などを含めた広義の意味での一過性意識障害の鑑別を念頭に置きながら,診療をすすめていくことになる.
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