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簡便な移動通信システム(W-CDMA方式「FOMA」)を活用した救急視覚情報の伝達と,二次救急医療機関でのその初期治療への有効性
前田 達浩
1
,
中内 淳
1
,
前田 睦浩
2
1医療法人社団)山本・前田記念会 前田病院脳神経外科
2医療法人社団)山本・前田記念会 前田病院整形外科
pp.432-437
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100210
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■はじめに
救急業務に直結するオンラインのメディカルコントロールをより円滑,かつ効果的に行うには視覚情報が大変有効である.従来,高次救急救命センター等三次救急医療機関と結び救急救命処置,とりわけ特定行為の具体的な指示に車載カメラより画像伝送を加えるなどの試みがなされ,その効果に関しての有効性が報告されている.しかし,実際の救急業務のほとんどは二次救急医療機関で対応できる疾病,外傷であり,したがって,わが国の救急医療の質を左右し,高次救急業務が円滑に機能するためには,この二次救急医療機関の充実と嵩上げが重要である.しかし一方で,二次救急機関は,三次救急医療機関に比べ施設機器,マンパワー等に劣る施設が多いため,この限られた条件下で施設,機器,マンパワーなど最大限集約して,救急業務の有効活用に視覚情報は極めて有用である可能性が高い.
本調査研究では救急,特に救急搬送業務の大部分を占める二次救急医療機関に注目して,簡便な移動通信システム(W-CDMA方式「FOMA」)を活用した救急視覚情報の伝達と二次救急医療機関での初期治療への有効性について検討した.
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