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背景と目的
現在の山口大学医学部LAN(local area network)は,各種オーダリングや医事会計など病院の通常業務を行う業務LAN,医学部および附属病院内のイントラネットである集学LAN,そして各研究室にある研究用端末を結ぶ学内LANによって構成されている(Fig. 1, 2).山口大学医学部附属病院では,病院業務はオンライン化され,富士通のHOPE/EGMAIN-EXというソフトによりオーダリングシステムが構築されている.このオーダリングシステム上では,現在,CTやMRIの参照画像を手軽に見ることができるようになっている(Fig. 3).この参照画像は,フィルムをそのたびに取り出すことなく所見の確認ができ,また紙に印刷してカルテに綴じることができるなど大変に便利である.しかしながら,業務LAN上の業務サーバーには全診療科の画像データが日々保存,蓄積されていくため,容量の問題からいつまでもそのデータが残されるわけではない.また,業務LANはウィルス感染防止その他のセキュリティーの関係から完全なクローズドシステムとなっており,運用上,フロッピー,MO,CD他のメディアの接続は許可されず,規定のプリンター以外は接続できない.そのため,この参照画像を医局や個人のコンピュータに移動することはできず,学会発表や論文投稿などに利用できない.この不都合を解消するため当病院では,放射線部や病理部など各部門サーバーからの各種データはいったん業務サーバーに蓄積され,その後から集学LAN上に設置された集学サーバーに送られる(Fig. 1).各診療科は(使用端末を登録することにより)集学サーバーにアクセスすることができ,各種データを後利用することが可能となっている.
そこでわれわれは,集学サーバーから全自動で脳神経外科関連のCT・MRI画像およびCR画像を取り込み,患者の画像ライブラリを作成することを企図し,そのための専用ソフトを開発した.
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