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I.はじめに
脈絡叢は,脳脊髄液の主要産生部位として古くから注目され,その組織発生に関しては,これまでヒト胎児をはじめとする種々の動物において,多数の研究がなされてきた3,5,6,9,13,24,25,27〜29)。脈絡叢の細胞発生学的知見は正常の形態形成過程を理解するうえだけでなく,病的状態における脈絡叢の形態的,機能的変化を解析するうえでも不可欠な事項と思われるが,これまでの報告では,形態学的に捉えられる細胞分裂像がきわめて少ないことから,多くは側脳室脈絡叢の上皮細胞分裂に関する簡単な記載にとどまっている10,25,28,29)。細胞発生に注目した研究としては,細胞分裂をM期で静止させるcolcemidを利用したKnudsenの報告14)やautoradiography法を用いたSoenarjoの報告26)など少数みられ,上皮細胞が脈絡叢起始部の特定領域でおおむね限局して増殖することが示唆されている。しかしながら,いずれも側脳室脈絡叢に関する観察が主体であり,第III,第IV脳室脈絡叢の細胞発生についての詳細な観察,検討はほとんどなされていない。
これまで,発生学における細胞発生あるいは細胞動態の解析には,3H-thymidineを用いたautoradiography法が主に利用され,その有用性が認められてきた1,15)。
The morphological development and cytogenesis of the telencephalic, diencephalic and myelen-cephalic choroid plexuses in the rat, from embryonic day 13 (E13) to 6 months postnatum, were studied. Cell proliferation was investigated immunohistochemically with bromodcoxyuridine (BrdU), an analogue of thymidine.
A fold-like anlage of the telencephalic choroid plexus developed from the choroidal fissure of the lateral ventricle on E15. The covering epithelium was still pseudostratified and appeared to possess a rapid proliferative capacity.
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