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神経系と免疫系は生体の2つの大きな情報ネットワークシステムである。その機能をみると外界の刺激を認識し,それに対して一定の反応を行ない,学習・記憶し,それを必要に応じて想起する。また場合によっては記憶した情報を忘れてしまうこともある。このように2つの系の機能には,その分子レベルでの作用機序は別にして,macroscopicにみた場合極めて類似点が多いといえよう。そのために,さらに進んで二大情報網がお互いに何らかの相互作用を行ない,情報を交換し合っているのではないかと想像することもできるであろう。
そうした例のひとつに,ストレスと免疫反応の関係をあげることができる。動物実験でストレスを加えることにより免疫反応が影響を受けるというデータがある44)。また精神的・肉体的ストレスの有無により,感染症に対する感受性が異なるのは経験的にも理解されるところであろう。しかしこうした例は興味あるものではあるが,具体的あるいは実験的な裏付けに乏しい点を払拭できない。それに対して近年,神経系と免疫系の相互関係について,いくつかの客観的なデータがみられるようになってきた。
Abstract
Recently, an increasing number of reports suggest the possibility that there may be intreaction between the nervous and hematopoietic systems. The intreaction most probably would be mediated through some antigens common to the nervous system and lymphocytes (common antigens). In this paper, we described the list of such antigens, either chemically defined or only functionally estimated, together with our data about asialo GM1, one of such common antigens. The significance of such common antigens in clinical neurology is also discussed.
Thy-1 is the first and best studied example of such common antigens.
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