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はじめに
本邦ではParkinson病に対するlevodopa単剤(L単剤)による治療が始められてからすでに10年,carbidopa・levodopa合剤(C・L合剤)が試用され始めてからすでに7年の歳月が経過した。いずれの薬剤も治療効果はかなりすぐれているが,ことにC・L合剤の有用性がよりまさっていることはこれまでの多くの報告で確認されてきた。しかし,いずれの薬剤を用いても治療開始数年後からかなりその効果が減退し,症状の日内変動,副作用などによって症状のコントロールが困難となる例が漸次増加することも指摘されている1〜3,13,15,17)。われわれは先に本邦の27施設でC・L合剤による治療が3年以上継続して行なわれた239例について,L単剤による治療中の資料と比較して,C・L合剤による長期治療の有効性と安全性について検討した結果を報告した9)。この中にはL単剤による治療が先に行なわれ,後にC・L合剤による治療に移行したものが多く,通算して治療期間が10年に及ぶ症例も少なからず含まれている。ここではL単剤,C・L合剤を合わせたlevodopa長期治療例の10年間の治療経過についてまとめてみた。
A combined preparation of carbidopa-levodopa was administered continuously for 3 years or longer to 239 patients at 27 medical institutions. Including the prior period during which levodopa alone was used, patients were treated for as long as 10 years. The therapeutic course of these patients was evaluated and the factors influencing their response was studied. The results are summarized below.
1. After 3 to 5 years of continuous drug therapy the overall degree of improvement tended to decrease gradually.
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