Japanese
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特集 日本脳炎
日本脳炎のウイルス・血清学的診断
Virological and Serological Diagnosis of Japanese Encephalitis Viaus Infection
石井 慶蔵
1
Keizo Ishii
1
1国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部
1Central Virus Diagnostic Laboratory, National Institute of Health
pp.300-311
発行日 1967年8月25日
Published Date 1967/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904410
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I.緒言
日本悩炎は有毒カに刺されることによって感染,発病する。したがって,わが国のような温帯地方ではカの発生との関係から,日本脳炎は7〜10月の限られた季節にだけ発生する。また定型的な症例では,高熱,髄膜刺激症状,脳の病巣症状および髄液所見など,症状の一連の推移に特徴がある。これら季節要因,臨床症状および臨床検査所見から診断して,とくに流行時にはほとんど間違うことはない。
しかし日本脳炎ウイルスによる感染像は脳炎だけでなく,無菌性髄膜炎の臨床病型を呈するもの,さらに"夏かぜ"として見逃がされる軽症のものも存在する1)。Subclinicalの不顕性感染は別にしても,このように多種の病型とその階段的な移行型がみられ,そのうえワクチン接種の影響で,小児では非定型例の増加も考えられる。一方,診断液の市販,検査術式の規格化2),普及によって,ウイルス・血清学的検索が簡便に全国各地で行なえるようになった。
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