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特集 診断検査法
誘発筋電図の基礎と臨床
The Basic Study and Clinical Application of Electromyogram
村越 康一
1
Koichi Murakoshi
1
1千葉大学医学部三輪内科
1Dept. of Internal Medicine, Chiba Univ. School of Medicine
pp.352-374
発行日 1963年3月25日
Published Date 1963/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904020
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はじめに
誘発筋電図1)は,従来の筋電図とは異なり,中枢神経系・末梢神経・筋のいずれかの部分に人工的刺激を加え,それによつておこる興奮結果を,神経・筋または運動単位の活動電位として,刺激とともに記録する方法である。この場合,刺激を電気刺激のみに限る考え方もある2)。この方法では,種々の要素が刺激されるという不便はあるが,神経筋系における興奮の発生・伝導・伝達の状態を定量的に探究できるので,興奮性形体の特性を比較し得る利点があり,運動・姿勢反射・痙縮および固縮等の機序の解明に貢献するところが多い。
1910年,P.Hoffmann3)が大体における腱反射の研究に応用して以来,誘発筋電図の研究は同学派によつて着々と進められた。その後,電子管工学の発達により精巧な刺激装置が作られ,R.Granit4),C.J.Eccles5)6)等により輝かしい業績が発表された。これが基礎となつて人体にも盛んに応用されるようになり,Magladery7)−17),Paillard18)等の優れた研究がある。わが国においては,藤森19)20)21)・本間22)23)24)25)等の基礎的研究があり,鈴木・本間26)27)等によつて優秀な電気刺激分析装置が製作されて以来,各種疾患の診断に臨床的に応用されるに至つた。
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