Japanese
English
特集 感覚情報の処理機構
複合音分析の脳内機序
Neural analysis of complex sound
渡辺 武
1
Takeshi WATANABE
1
1東京医科歯科大学医学部生理学教室
1Institute for the Deaf, Tokyo Medical & Dental University
pp.597-608
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903414
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Ⅰ.緒言
19世紀後半Helmholtz5)に始まったともいえる聴覚機構の研究は,まず外耳,中耳の働きが明らかにされ,ついでBékésy1)による内耳蝸牛機構の解明があり,さらに最近の聴覚神経機構の解明がつづき,1世紀を経た現在一応その大要が明らかとなった。
われわれは聴覚情報のcoding patternを単一聴ニューロンの電気生理学的研究によって解析し,その心理的属性との対応を求めてきた。音刺激として比較的単純な純音あるいはクリック音を用いてきたが,聴覚の本質は複合音の分析にあり,このような観点からその基礎的機構について研究を進めている。
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