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Ⅰ.緒言
v. Bogaert1)が急性,激烈な臨床経過をとり,短時日の間に死亡する散発性脳炎のうち,剖検で大脳底部を中心に広汎な壊死巣を伴う症例を急性壊死性脳炎(以下ANEと略す)としてとりあげて以来,多くの症例報告がなされた。その多くは臨床―病理学的にHerpes simlex脳炎と区別できず,Virus診断の進歩とともにHerpes simplex virusの検出される率も高くなつたところから両者を同一視するものが多い2,3,4)。しかしScheidら5)はリンパ球性脈絡髄膜炎ビールスの感染で同様の出血性壊死巣をもつ症例を記載しており,また最近McCormickら6)はVaricella-zoster virusを分離し,ANEとHerpes simplex脳炎がsynonymであることに疑問を投げかけた。とすればANEは種々の病因による一つの表現型にすぎぬことになる。また日本脳炎を含めてあらゆる型の脳炎に,循環性その他の要因により広汎な壊死の起る可能性があるところから,単に壊死巣の存在のみでANEの診断はくだせない。とくに亜急性または慢性の経過をとつた症例では壊死を生ぜしめる要因もとうぜん大となるゆえ,病理所見のみからANEの遷延型か否かの判定は慎重を要すると思われる。
われわれはさきにほぼ典型的な経過をとつた18症例の概要を発表したが7),今回はその個々につき臨床―病理所見を述べ,ANEの位置づけを試みたいと思う。
Ohne oder nach uncharakteristischen Prodromalerscheinungen setzten rasch zunehmende Kopfschmerzen, hohes Fieber, Erbrechen, Krampfanfalle und schnell progrediente Bewu Btseins-trubung ein. Die Krankheitsdauer uberschritt in der Mehrzahl der Falk (12) nicht 16 Tage. In 6 Beobachtungen betrug sie jedoch 3-7 Wochen. Die Liquorbefunde waren in allen untersuchten Fallen pathologisch.
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