Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題—脳死をめぐつて
麻酔の立場からみた脳波と脳死
Brain Death and Anaesthesiologist
稲本 晃
1
Akira Inamoto
1
1京都大学医学部麻酔科
1Dept. of Anaesthesiology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.58-60
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903100
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.麻酔の立場からの死の定義
麻酔学者の間にいわゆる脳死の問題がとり上げられたのは,1964年Las Vegasにおける第8回国際麻酔学会で,心臓移植の際の心臓提供者の死の問題が提起されたより前のことである。
その理由は手術中,あるいは手術室以外でも,いわゆる急性心停止を起す症例がある。この症例に対する新しい呼吸循環の蘇生法が発達し,それまで救命し得なかつた症例が蘇生に成功する率が高くなつたが,一応呼吸循環は回復しても,種々の程度の意識障害を残し,長期間vegetative stateで生存する患者も多くなり,いわゆるsocial deathの患者が社会経済上の問題となつたためである。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.