Japanese
English
特集 錐体外路系・Ⅱ
Mangan及び重金属中毒
Poisoning by Manganese and Other Heavy Metals
德臣 晴比古
1
,
岡嶋 透
1
Haruhiko Tokumni
1
,
Toru Okajima
1
1熊本大学医学部第一内科教室
11st Dept. of Internal Medicine, Kumamoto University Medical School
pp.58-66
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901721
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緒言
中毒とは生物が毒物に依つて機能的,器質的に障害されることであり,この様な中毒を惹起せしめる量を中毒量といい,死に至らしめる量を致死量と称し又長期間ある条件下で作業を続けても直接的,間接的に心身に障害を起さない最大濃度を恕限量と規定せられている。或毒物が中毒を惹起するには色々の条件が存在する。即ち毒物自体の条件として溶解性,濃度,曝露時間等により異り又同一毒物でも曝露が間歓的か持続的かによつても異つてくる。又侵入経路即ち経口的,経皮的,経気的,皮下注射,静脈注射等によりその軽重が異つてくる。その上より重大なことは各個人の条件であり,民族,年齢,性,体重,慣習,解毒能,上気道の除塵能等により相違があり更に重大なことは体質即ち特異体質,アレルギー体質,神経系統の先天的脆弱者等によりその現わす症状も自ずと異つてくる。
種々の元素の中比重,4.0を境としてそれより比重大なるものが重金属として分類せられでいるがその中で比較的大量に身近かに存在しているものはZn,Cd,Hg,Cu,Ag,Tl,Sn,Pb,Sb,Bi,Cr,Mn,Fe,Co,Ni等である。これ等のものの極小量は動植物の生活に必須のものであり乍ら大量に摂取される毒性を現す場合がある。
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