Japanese
English
特集 小脳
小脳の自律神経機能
Cerebellar Autonomtic Function
伴 忠康
1
Tadayasu Ban
1
1阪大解剖学教室
1The Department of Anatomy Osaka University Medical School
pp.555-576
発行日 1959年4月20日
Published Date 1959/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901692
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まえがき
1664年にThomas Willis1)が小脳を自律系の中枢と考えたが,これはそれほど明確な根拠にもとづいたとは言えないようである。1872年にEckhard2)が小脳刺激による心搏,血圧,呼吸等の変化を,1876年にはFerrier3)が瞳孔の変化を報告して以来,血圧,呼吸,体温,眼反応,膀胱,消化管等に関して種々の断片的な報告が行われて来たが,刺激や破壊の方法,その部位の記載等明瞭なものが少いように見受けられる。そこでこれらの業績についてはDowとMoruzziの多彩なReview4)(′58)に譲ることにした。
1891年以来Luciani5)がpostural tonusと小脳に関する多くの業績を発表してがらは,小脳の白律系についての興味が一時失われたような感じがする。最近反応部位の明確なものにHare,Magoun and Ranson6)(′37)の報告がある。彼等はバルビツール麻酔猫の室頂核附近の白質を刺激して縮瞳を認めた。またHampson7)(′49)は大脳の帯回を刺激して反対側の小脳前葉外側部に反応を認め,ここに自律系の眼領野を推定した。
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