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特集 第1回国際神経科学会展望・2
放射能の神経病理学
4 脳腫瘍—Umberto Cocchi:脳および脊髄腫瘍に対する放射線療法後の組織変化,他
Gewebsveränderungen infolge Strahlen behandlung von Hirn-und Ruckenmarktumoren.
原田 憲一
pp.690-693
発行日 1958年4月30日
Published Date 1958/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901645
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Netskyは3,000〜4,000rを照射した皮下に移植したEpendymoblastomをリンゲル液にひたしながら,照射後2週間にわたつて,未固定のまま染色せずに,紫外線ケンビ鏡でしらべた。それによると,核と細胞形質の紫外線吸収は,次第に強くなり(3日),6日で最高に達する。さらに1日たつと細胞は腫脹し,8日後には500倍にも達する。この変化の原因としては,polynukleide Molekülの強い増加が考えられる。この研究によれば,X-線照射の主な侵襲点は,核ではなくて,細胞形質そのものであることになる。
脳組織への放射線療法の好ましくない副作用は,早期と晩期(1カ月から数年たつてはじめてあらわれるものまで)とにわけられる。早期の副作用は線量を減らしたり,休止期をおいたりすることによつて減らすことができるが,晩期のものは重篤な永久障害をひきおこす。最近20年の研究によると,その潜伏期は,全線量,個々の照射クールの分節性,患者の年令などによつて変るものであるが,潜伏期は全線量に反比例するし,また若い脳ほど放射線に敏感である。
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