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特集 第1回国際神経科学会展望
神経病学に於ける意識
V. M. Buscaino:意識現象の神経学的基礎
Fondements neurologiques des phénomènes de conscience
萬年 甫
pp.486-492
発行日 1958年2月28日
Published Date 1958/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901621
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われわれの精神生活をよりたかめるに,脳の底部に注意を向けたのはすでに古くガレーヌスの時(2世紀)からであり,彼によると≪l'esprit vital≫を諸精神の中で最も高貴な≪esprit animal≫に変ぜしめるのは第3脳室底の附近であるという。またデカルトによると魂は松果体に宿るという。すなわちそれは中脳の高さであつて,ここで≪esprits animaux≫が生れ,間脳にある二つの≪pores≫(穴)を通つて神経系に達するのであるという。
それ以後,Mauthner(1890),Von Economo(1917)の間脳における睡眠中枢に関する研究,意識現象に対して脳幹が重要であるというReichardtの寄与,Haskovec及びKüppers(意識の中枢は視床下部にあり),さらにCamus(1912)等の研究について,最近は特に網様系(systémesrèticulaires)の重要性について研究が相ついでいる。
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