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本総説では,これまでに報告された島皮質に関する研究をまとめ,島皮質を中心とする神経回路網シェーマを作成し,その機能発現を考察した。島皮質は人間の大脳半球皮質展開図のほぼ中心に位置し,第一次および第二次体性知覚野,帯状回前部,扁桃体,前頭前野,上側頭溝,側頭極,眼窩前頭野,前頭弁蓋,頭頂弁蓋,第一次聴覚野,聴覚連合野,視覚連合野,嗅球,海馬,嗅内野,運動野などの脳部位と線維連絡を持つことが示されている。また,最近のPET,fMRI,脳磁計測,脳刺激および島葉障害例などの研究により,島皮質は味覚,嗅覚,視覚,聴覚,触覚に代表される五感の機能に加え,内臓知覚,内臓運動,前庭機能,痛覚,悲しみの想起,言語,歌唱などの諸機能に関与することが示されている。島皮質を中心とする神経回路網シェーマを検討した結果,島皮質が多重知覚収束において重要な役割を果たしていることが考えられた。また,島皮質内で密な線維連絡が存在することから,島皮質の関与する諸機能が統合された形で処理されている可能性が考えられ,島皮質が異なる感覚間の転換または統合を意味する共感覚に関与することが考えられた。
In this review article, the recent researches on the insular cortex are summarized, and a neural network schema including the insular cortex is constructed to investigate its roles in the information processing in the brain. The insular cortex is in the center of the cerebral hemisphere.
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