Japanese
English
特集 神経系の遺伝子治療―その現状と展望
序文
Introduction
辻 省次
1
Shoji TSUJI
1
1新潟大学脳研究所神経内科
1Department of Neuroiogy, Brain Research Institute, Niigata University
pp.5-6
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901220
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- Abstract 文献概要
遺伝子治療のもっとも基本的な考え方は,遺伝性疾患において欠損している遺伝子について,正常(野生型)の遺伝子を何らかの方法で生体に導入することによって,その病気の治療をしようとするものである。導入する遺伝子は必ずしも病因遺伝子である必要はなく,病態機序を改善することが期待されるさまざまな遺伝子,あるいは,脳腫瘍などの腫瘍性疾患に対しては,細胞増殖を抑制するような作用を持つさまざまな遺伝子の導人も行われている。
このように遺伝子治療の原理は,非常にシンプルであり,一般の人々にも理解しやすいものである。さらに,臓器移植の場合と異なり,ドナーを必要としないという点においても特徴があり,21世紀の画期的な治療法として,その実用化が期待されている。
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