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パーキンソン病(PD)およびその病態モデル動物での活性酸素・窒素種の関与,さらにPD治療薬と活性酸素・窒素種の関係について概説した。PDモデル作製に頻用されるドーパミン神経毒は,ミトコンドリア呼吸酵素の活性を低下させ,あるいは自動酸化により,活性酸素種の生成を介して細胞障害性に働く。PD脳では,ミトコンドリア呼吸酵素や活性酸素種の消去系諸酵素の活性の低下および黒質の鉄沈着がみられ,活性酸素・窒素種が生成され細胞障害が惹起・増悪される。L-DOPAはそれ自身がラジカル体となり,自動酸化により活性酸素種を生成し細胞障害性に働き得る。ドーパミンレセプターアゴニストの神経保護効果の少なくとも一部はhydroxylradical・一酸化窒素消去能に基づく。PDのドーパミン神経障害において活性酸素・窒素種は重要な役割を果たしているが,呼吸酵素障害や黒質での鉄沈着の直接的原因など,解明されなければならない課題は多い。
In this paper, we reviewed the involvement of reactive oxygen/nitrogen species in Parkinson's disease and its animal models, and in the therapeutic drugs for Parkinson's disease. Dopaminergic neurotoxins, MPTP and 6-hydroxydopamine, which produce animal models of Parkinson's disease, induce production of reactive oxygen species through inhibition of mitochondrial respiratory enzymes and autoxidation, respectively, to lead neurotoxicityin dopaminergic neurons.
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