Japanese
English
総説
パーキンソン病の治療—現状と今後の展望
Present Strategy and Future Perspective of Therapy in Parkinson's Disease
久野 貞子
1
Sadako Kuno
1
1国立療養所宇多野病院神経内科/臨床研究部
1Department of Neurology, Utano National Hospital
キーワード:
Parkinson's disease
,
L-DOPA
,
dopamine agonist
Keyword:
Parkinson's disease
,
L-DOPA
,
dopamine agonist
pp.18-25
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900888
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
パーキンソン病(以下パ病)治療の目標は運動制御の障害によって生じた日常生活活動度(ADL)の低下を防止し,職業生活や趣味など病前のライフスタイルを如何に維持するかである。さらに抑うつ症状や認知機能低下,便秘,多汗,冷え症,立ちくらみなど原疾患に由来する種々の問題症状のみならず,抗パ病薬の副作用に対しても対策が必要である。図1はパ病の脳病変と病態に対する薬物治療の関係を表したものであるが,このようにパ病の運動制御の障害の主な責任病巣は,中脳黒質緻密質から線条体へ投射するドーパミン(以下DA)ニューロンの細胞死であり,この進行抑制を目的とする根治的神経保護療法と線条体後シナプスDA受容体でのDA欠乏を修復する対症薬治療が現在試みられている治療法である。
本稿ではパ病の概括的治療マネージメント,薬物治療の現状と問題点・今後の展望について,外科的治療を含めて紹介したい。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.