Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,ガングリオシドの知名度が急速に高まりつつある。脳内におけるガングリオシドの分布が明らかにされたり,ガングリオシドの神経機能の一部がわかり始めたことによると思われる。
本稿では神経系に多く存在するガングリオ系ガングリオシドについてのみ述べる。まず,第一に主要なガングリオシド分子種がA, B, Cの3系列に整理された経緯に触れ,その後の新たなガングリオシドの発見,とくにコリン作動性ニューロン特異的ガングリオシドChol-1を紹介する。第二の進歩は,ガングリオシドに対する一連のモノクローナル抗体が作られ,それによって神経細胞層やニューロピルに特徴的なガングリオシドの分布がわかってきたことである。第三に,神経細胞の分化,シナプス伝達,および神経細胞障害の修復などにおけるガングリオシドの役割の解明が進んできたことが上げられる。
Gangliosides have recently been of great interest to many researchers in neuroscience, mainly because of exciting findings concerning their distribution and probable functions in the brain. This article focuses only on the gangliosides relevant to the gangliotetraose series which are enriched in the nervous system. Three major advances are described. The first is related to new structure determinations.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.