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はじめに
脳・神経系は140億個にものぼるニューロンが複雑な回路網を形成し,生命を維持するための基本的な情報を処理するだけでなく,記憶・思考・感情など高次精神機能をも司る巨大な情報処理器官である。脳・神経系を構成する多数のニューロンがどのようなメカニズムで精妙なネットワークを形成するのか,またそれがいかにして維持されるのか解明することは,生物学に残された重大な研究課題である。しかし,その複雑さの故にそのメカニズムを解明する糸口すら長い間見出せなかった。
しかし,分子生物学の近年の著しい発展により,神経細胞の増殖・分化・維持に関与する遺伝子を単離することが可能となったこと,また単離された遺伝子の機能を個体レベルで解析するための発生工学技術が急速に開発されたことにより,ニューロンネットワークの形成・維持の分子機構を解明するための条件は整いつつあると考えられる。
The technology of genetic manipulation of mouse embryos has developed recently and extended very quickly. Producing transgenic mice and/or knockout mice has now almost become a standard technique to analyze gene function in vivo. This review describes some of the newly generated mouse mutants which have proved to be useful to study molecular neurology.
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