Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
非侵襲性脳機能測定法の一つに,人間の大脳刺激が登場したのは,Mertonら1)による高電圧電気刺激装置が発表されてからである。それまではヒトの大脳を侵襲的に開頭して刺激することはできたが2),開頭せずにはできなかった。Mertonらの方法により,経頭蓋的に大脳皮質を刺激できるようになった。その後,痛みの少ない磁気刺激法が開発され3),ヒトの非侵襲的大脳皮質刺激が広く応用されるようになった。この方法は運動系だけでなく,視覚4),体性感覚5),言語野6)と様々な領域の大脳皮質機能の分析に応用されている。本項では,その中で,とくに運動系の分析について述べることとする。
運動系の刺激についてでも,私自身がすでにいくつもの総説を書いており7-10),刺激法の基本的原理・刺激部位,波形異常の意味することなどについてはすでに多くの方々が,理解されていることと思う。そこで今回は,運動系刺激の一般的方法をごく簡単に述べた後に,本刺激法を用いることにより判明してきたヒトの運動野の興奮性に変化を与えるいくつかの因子について述べることとする。以下が今回の内容である。
We have reviewed percutaneous stimulation methods of central motor pathways in humans, especially focused on several new aspects of this new technique.
1. Central motor conduction time
The central motor conduction time is the latency difference between responses to cortical and spinal stimulation. This value represents mainly the time during which nerve impulses come down through the descending tracts, and clinically used to estimate function of the descending tracts.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.