連載 Dose intensityを維持する漢方スキル[0]【新連載】
総論
元雄 良治
1
1金沢医科大学腫瘍内科学
pp.162-163
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200389
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なぜdose intensityを維持するべきなのか?
DI(dose intensity)とは用量強度のことであり、がん薬物療法に用いる薬剤の用量を単位時間(週)で除したものである。例えば、XELOX療法などで用いられるオキサリプラチン(L-OHP)は標準的には130mg/m2を3週間毎に投与することが1サイクルであるので、DIは、130mg/m2÷3 weeks=43.3mg/m2/weekとなる。もし副作用などで1段階減量して100mg/m2になった場合、DIは100mg/m2÷3=33.3mg/m2/weekとなる。その場合、このサイクルは標準量の76.9%(33.3÷43.3)となり、これをRDI(relative dose intensity)と呼ぶ。すなわち、標準量に対する実際の投与量の強度を表す。XELOXのように、カペシタビン(ゼローダ®)とL-OHPの組み合わせの場合、各薬剤のRDIの平均を計算したものがARDI(average relative dose intensity)である。
さて、ではなぜDIが重要かという点であるが、特に術後補助化学療法では、Fig.1のように治療強度を維持して治療を完遂することが無再発生存率、全生存率などの予後の改善につながるとされているからである1,2。副作用のモニタリング・マネジメントを行なってRDIを高く保つことが、治療効果を最適化・最大化するうえで重要である(Fig.2)3。
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