連載 Evidence “The Classic” Review
《サルコーマ》肉腫治療においてアドリアマイシンの不動の地位を固めたEORTC 62012試験
公平 誠
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1医療法人慈公会公平病院腫瘍内科
pp.586-587
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200132
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Summary
切除不能・進行軟部肉腫に対する標準的薬物療法はアドリアマイシン(DXR)の単剤療法と認識されている。これまでにもDXRをコントロール群とした数々の臨床試験が行なわれてきたが、DXR単剤療法を上回る結果は得られてこなかった。EORTC 62012試験ⅰは軟部肉腫に対する有効性が期待されるDXRとイホスファミド(IFM)の2剤併用療法(AI療法)のDXRに対する優越性を検証したランダム化比較第Ⅲ相試験である。しかし、主要評価項目である全生存期間(OS)の結果からは、AI群がDXR群を上回る結果は示されなかった。本試験は一般的な軟部肉腫に対する初回治療のDXRの有用性に関するエビデンスレベルを更に高めることにつながり、標準治療としてのDXRの位置付けを確固たるものとした。
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