特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで
【各論Ⅱ】「FSS」の病態とマネジメントCaseつき
❶機能性身体症候群(FSS)とは
村上 正人
1,2
1国際医療福祉大学 心理学科
2山王病院 心療内科
キーワード:
不定愁訴
,
MUS
,
医学的に説明困難な症候
,
機能性身体症候群
,
FSS
,
心身医学
,
心身症
,
PSD
Keyword:
不定愁訴
,
MUS
,
医学的に説明困難な症候
,
機能性身体症候群
,
FSS
,
心身医学
,
心身症
,
PSD
pp.1331-1334
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204023
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Case
患者:45歳、女性。主婦。
現病歴:5年前の冬頃から肩・首・四肢の痛みや朝のこわばりが徐々に増悪し、4年前には全身の痛みに拡大した。関節リウマチや膠原病などが疑われ諸検査を受けたが、臨床検査・画像検査などでは異常が認められず、疲労やストレスによるものとされ治療には至らなかった。しかし、頭痛、顎関節痛、胸腹部痛、下痢や便秘の繰り返し、胃もたれ感、月経痛、頻尿、不眠、強度の疲労・倦怠感など、多彩な症状を伴うようになり、多数の科を受診するようになった。
発症の時期に、高齢の姑の介護、転居、転倒による腰部打撲などが重なり、心身の疲労が極限に達していた。
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