投稿 GM Report
専攻医から見た新専門医制度における総合診療専攻医の育成
大塚 勇輝
1
,
小比賀 美香子
1
,
大塚 文男
1
1岡山大学学術研究院 医歯薬学域 総合内科学
pp.1274-1275
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203996
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
日本専門医機構が2014年に発足し、19番目の基本領域専門医として「総合診療」を掲げ1)、2018年より専攻医育成に取り組み始めて4年が経過した。その第1期生が対象となる専門医試験が開催され、新制度下での名実共に新しい専門医が誕生したところである。
総合診療専門医制度が発足した当初は、当事者である専攻医や興味を持つ若手医師から、専門医機構の体制不備や専門医制度そのものの未熟さへの批判的意見も多かったが、この数年間で多くの改革がなされてきたように我々は思う。専攻医向けの説明会が定期的に開催されるようになり、専門医機構と専攻医の橋渡しをする形で、研修医・専攻医支援部会が設置された。それまでブラックボックスに近かった専門医機構内部の議論についても、議事録がインターネット上で公開され、透明性がある程度担保されるようになり、当然のことではあるが研修修了や専門医認定などに関する各種要件や、通称J-GOALと呼ばれるオンライン研修手帳などの研修に必要な細部についても調整がなされた。これまで諸専攻医・指導医の不満と不安の種となっていた“事務局と全く連絡が取れない”という問題についても、現在は概ね解消されたと我々は考えている。専門医機構のウェブサイトとは別に、総合診療専門医検討委員会専用ページも開設され2)、「Q&A」などを通じた専攻医への情報提供も、以前よりは充実してきたと、専攻医である筆頭著者自身も感じている。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.