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Case
患者:50歳男性、会社員(食品を扱う営業職)。
患者「体重が減らなくて、肥満外来があると聞いて紹介されてきました」
医師「問診票を見ると、今まで体重に苦しめられてきて、今がよい機会だと思ったのですね。紹介されたきっかけや、体重に向き合おうと思ったきっかけを教えてください」
患者「体重が増えたのは会社に入って、営業成績によって収入も上がるし、会社内外の付き合いが多かったせいだと思います。逆に営業成績が伸びなければ、そのストレス解消で食べてしまうことも多かったです」
医師「なるほど。付き合いや接待などが断りきれないこともあったのでしょうか?」
患者「それもあります。それに仕事柄、食べ物を扱うし、食べることも嫌いではないので…」
医師「なるほど。繰り返しですが、今回こちらを受診したきっかけは?」
患者「だんだん着る服も大きなサイズのものばかりになって選択肢がなくなってきているし、数年前から会社の健康診断で血圧が高くなっていると言われていて…。産業医には、体重を何とかしないと残業制限にすると言われたのですが、具体的に何をしたらよいかは教えてくれなくて。運動して食べるものを我慢すればいいって、忙しいし、そんなの無理だと思ったんです」
医師「それでも、今回は受診してみることにしたんですね。何か心配なことがあるのですか?」
患者「まだ子どもも小学生で、かかりつけの先生には高血圧の薬を飲むか聞かれたのですが、痛くもつらくもないので薬は飲みたくないし。薬に頼らない方法を聞いたら、体重を減らすのが一番と言われて、意を決してやってきました」
医師「それは、よい決断をしましたね。今日はまずは問診票に従って、日常生活のことを詳しく聞かせてください」
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