特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート
【各論】
—かぜ症状を呈する重要疾患—❼かぜと敗血症の見分け方
渡邉 剛史
1
1中部ろうさい病院 総合内科・リウマチ膠原病科
キーワード:
かぜ
,
敗血症
,
悪寒戦慄
,
免疫不全
,
qSOFA/SOFAスコア
Keyword:
かぜ
,
敗血症
,
悪寒戦慄
,
免疫不全
,
qSOFA/SOFAスコア
pp.192-197
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203598
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Case
患者:74歳、男性。
主訴:発熱、節々の痛み。
併存症:高血圧症、糖尿病。
現病歴:来院前日から38.5℃の発熱と全身の筋肉痛のような痛みが出現し、鼠径部の痛みが特に強かった。近医を受診し、気道症状や消化器症状はなかったものの「かぜでしょう」と言われ、アセトアミノフェンを処方された。いったん解熱したが、来院日の朝にガタガタ震えるような寒気が出現し、その後ベッドから起き上がれなくなったため救急要請した。救急搬送時、体温39.5℃、血圧85/45mmHg、脈拍数117回/分、呼吸数25回/分、SpO2 90%(室内気)の敗血症性ショックの状態であり、細胞外液輸液、ノルアドレナリン、メロペネムを開始した。身体所見では直腸診で前立腺の圧痛があり、細菌尿と膿尿を認めたことから、急性前立腺炎と診断され、ICU入室となった。入院時の血液培養と尿培養からKlebsiella pneumoniae(肝炎桿菌)が検出され、第3病日にセフォチアムにデ・エスカレーションされた。
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