55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・39
—医師像の変容と総合診療—Transforming into an Alternative Doctor
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター
pp.1058-1061
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203335
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海外では通じない日本の英語表記
「総合診療」。この英語表記を、私は「Generalist Medicine」が適切であると考えている。日本では「General Medicine」や「General Practice」と表現されているが、海外では前者は「総合内科」あるいは「内科」、後者は「診療所基盤型家庭医療」を意味する。この2つの英語がどちらも「総合診療」と呼ばれることは、日本以外の国では理解されない。むしろ、コンテキストの誤解に基づくコミュニケーション不全が生まれる可能性があり、要注意である。
「Generalist Medicine」という表記を部門名として正式に採用している場所はないようだが、何人かの海外の家庭医の友人の反応をみると、語感は十分に伝わると思う。「Generalist Medicine」は、病院の総合診療科、プライマリ・ケア診療所など、診療の場の多様性を特徴とする“日本の総合診療”を、なんとか表現するための造語である。
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