特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。
【各論2】総合診療医から精神科医への“ぶっちゃけ”相談集
Q9 なかなかよくならないメンタル症状の方を診るのはつらいです。つらいから精神科に紹介、というのもつらいです。メンタル症状の方を診る時の自分自身のコントロールの仕方を教えてください。
塚原 美穂子
キーワード:
阻害要因
,
感情
,
コーピング
,
リソース
,
満期
Keyword:
阻害要因
,
感情
,
コーピング
,
リソース
,
満期
pp.1007-1011
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203320
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本テーマは、かかりつけ医、プライマリ・ケア医、非専門医がさまざまな理由で、「なかなかよくならないメンタル症状の人」の診療を続けざるをえない状況を想定して書いた。都市部から遠く医療資源が乏しい地などで、専門医へのアクセスに物理的距離があったり、本人が精神科受診に抵抗がある場合など、時にかかりつけ医や家庭医が診療を続けなければならない状況があると推察する。
しかし、専門医にとってもなかなかよくならない人の診療は、同じくつらいものである。米国での4,000名弱の大うつ病患者の治療と予後の関係を調査した2006年のSequenced Treatment Alternatives to Relieve Depression(STAR*D)報告によると1)、数種類の薬物療法や認知療法などを1年以上の期間をかけて行っても、大うつ病患者の1/3が標準的な治療に対して難治であった。なかなかよくならない人、一筋縄でいかない人は、多くの標準的な治療者にとっても同様に難しいものである。
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