特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。
【Ⅰ章】さまざまな角度からみる女性診療
「内科医」からみる女性診療
片井 みゆき
1,2
1政策研究大学院大学 保健管理センター
2東京女子医科大学 総合診療科
キーワード:
性差医学
,
性差医療
,
女性診療
,
女性専門外来
,
不定愁訴
,
更年期障害
,
内分泌・甲状腺疾患
Keyword:
性差医学
,
性差医療
,
女性診療
,
女性専門外来
,
不定愁訴
,
更年期障害
,
内分泌・甲状腺疾患
pp.285-287
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203030
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Q1 女性診療で見逃されやすい「内科疾患」は?
男女共通の疾患でも、罹患率だけでなく、病態・治療法に「性差」があることは、現在では広く知られるようになった。そのきっかけは、1999年の日本心臓病学会で「女性における虚血性心疾患」のシンポジウムが開催され、欧米で提唱されていた「性差医学・医療」の概念を、天野惠子先生(野中東晧会 静風荘病院)が紹介されたことに遡る1)(p.281)。その反響を受け、2001年から性差医学に基づく「女性専門(専用)外来」が全国各地で開設され、日本でも女性における性差医療が幕を開けた2)。日本産科婦人科学会でも、女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱う「女性医学」を、産婦人科専門医のサブスペシャルティとすることを2014年に認定し、日本女性医学学会が「女性ヘルスケ専門医」認定制度を開始した。
2007〜2017年に東京女子医科大学東医療センター性差医療部で筆者が担当した女性専門外来では、内科各科に加え産婦人科・精神科・耳鼻科など12専門領域の医師たちが連携し、多数の診療科が連携する「包括的な女性診療」を先進的に展開してきた3)。
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