#総合診療
#書評:—すぐ・よく・わかる—急性腹症のトリセツ
志水 太郎
1
1獨協医科大学 総合診療医学・総合診療科
pp.1405
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202881
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Copeをはじめ、あまたある腹痛の書籍における本書の位置づけは何か? 「すぐ・よく・わかる」「急性腹症」のタイトルにあるように、腹痛の名著Cope『Early Diagnosis of Acute Abdomen』を今時に“超訳”(本書「はじめに」より)された本と言えば、本書の伝えたいメッセージは明確ではないだろうか。Copeの名著は病歴聴取・身体診察の腹痛の標準テキストとして長らく有名であり、評者も学生時代愛読したが、その輝きは10数年たった今でも衰えず、「腹痛の本で何を読むべきか」という質問に対する推薦3冊のうちに必ず入る本である。研修医教育などのリファレンスは、結局Cope先生の本に戻ることが多い。
その一方、Copeが比較的難解であるという欠点(?)は、本書でも指摘されるとおりである。本書は、その欠点を補いつつ、さらに日本の現場感覚を反映した、まさに日本の読者のための“和製Cope”と言えるつくりの本である。
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