特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も!
【今後増えるであろう処方薬の副作用】
オピオイドの急性中毒
野木 真将
1
1米国クイーンズメディカルセンター(Queen's Medical Center)
キーワード:
呼吸抑制
,
0次消失
,
ナロキソン
,
PAMORAs
Keyword:
呼吸抑制
,
0次消失
,
ナロキソン
,
PAMORAs
pp.178-182
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201900
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“opioid crisis(危機)”と表現されるように、米国でのオピオイドによる中毒死は増加の一途をたどっている。2016年の統計では、薬物過量服用による死亡件数は前年度より21.5%増えて63,632件であった1)。そのうち、オピオイドによるものは42,249件で、66.4%を占めていた2)。処方された麻薬による中毒死は40%を占め、1999年から2016年にかけて5倍に増加していることがわかる。1日あたり46人が処方麻薬で死亡している計算になる3)。特に東海岸を中心に25〜54歳の男性での増加傾向があり、相当な数の不法薬剤(ヘロイン、コカインなど)も含まれるが、当該地域のオピオイド処方の改善に注目が集まっている4)。
私の勤務するハワイ州でも導入されているが、Prescription Drug Monitoring Program (PDMP)という州規模での管理薬剤のデータベースが新設され、患者が誰から何の処方を受け、どこの薬局で受け取ったかの情報をすぐに検索できるようになっており、救急医療現場などでの有用性も報告されている5)。
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