みるトレ Special・20
「高アンモニア血症」の意外な原因
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.1121-1124
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201656
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患者:80歳代、男性。
主訴:発熱、意識障害。
現病歴:約1カ月前に、入所中の施設で心肺停止となり、当院に搬送され療養中であった。全身状態も徐々に改善し、施設へ戻る準備をしているところであったが、1日前から傾眠傾向となった。本日朝から発熱も認め、「意識障害」の原因検索のため血清アンモニアを測定したところ、132μg/dLと高値を示した。また、尿道留置カテーテルが挿入されていたが、1日前の夜から「無尿」となっており、確認したところ閉塞していた。カテーテルを入れ替え、排出された尿の一般検査および培養検査を提出したところ、検査室から尿沈査所見に「多数の結晶を認める」と連絡があった(図1)。
身体所見:GCS(Glasgow Coma Scale)E3V3M5、血圧104/62mmHg、心拍数122回/分・整、体温38.6℃、呼吸数24回/分、SpO2 96%(室内気)。
血液検査:WBC 19,800/μL(Stab 6%、Seg 81%、Lym 6%)、CRP 13.7mg/dL。
尿検査:比重1.015、pH 8.5、蛋白≧300mg/dL、ブドウ糖(-)、潜血(3+)。
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